情報
緋雪
緋雪 VA
中国語: Li Chanfei
日本語: 戸松遥
韓国語: Jung Hye Won
英語: Mei Mac
緋雪 のフォルテ調査報告
共鳴力
予求
共鳴評価報告
「スペーストレック・コレクティブ 機密アーカイブより抽出」
「面談報告記録:緋雪」
諸般の事情を考慮し、葦ノ原 の重要人物である「桜灼の巫女」に対する、全面的な検査の実施は見送られた。
大半の情報は本人の供述によるものであり、記録者自身の経験および各方面からの検証を踏まえても、彼女が自らに関する情報を意図的に隠している様子は見受けられない。
「何しろ、『永世桜灼の巫女』に関するエピソードなら、葦ノ原の小学校の教科書をめくればいくらでも載っている話なのだから……」
彼女の証言によれば、その特殊能力の共鳴源は、右手首に着けている「承縁」と呼ばれる「鈴」にあるという。 緋雪本人はこの鈴について、「これを通じて妾自身の『未来の可能性』を視ておる。そこから力を引き出すことはできても……『その可能性が描いた妾の幻影』そのものと言葉を交わすことは叶わぬがな」と述べている。
彼女が普段の戦闘で使用している氷結能力も、この鈴から引き出された力の一部に過ぎない。
「葦ノ原の公式記録と照合した結果、『承縁』とは歳主が遺した五つの品を指し、それぞれ葦ノ原内部の各勢力に保管が委ねられている」
「そのうち、『鈴』の力に関する記述は『未来を前もって借り受ける』とされている」
以上より、彼女の卓越した戦闘能力の根幹は、依然として本人の資質にあると判断される。
しかし、彼女が「前もって借り受ける」ことのできる未来には、限界が存在すると考えられ、彼女自身の寿命への影響を踏まえても、能力の過度な使用は推奨されない。
「調査の結果、歴代の『桜灼の巫女』の最期はすべて共通している。戦いの中で『鈴』の力を過度に使用した末、戦場から忽然と姿を消しているのだ」
オーバークロック診断報告
被検者のラベル曲線は楕円形を呈しており、経時的にも安定している。異常な変動の兆候は一切認められないため、本検査結果は「正常」と判定する。
現在のオーバークロック 臨界値は極めて高く、状態も非常に良好である。過去の発症歴も確認されておらず、発症リスクは皆無に等しい。
ただし、継続的な心理的なケアは必要であると判断される。
「あの巫女様は……なんというか、本当に底が知れないな……」
「教科書に姿こそ載っていないが、名前だけははっきりと明記されている。葦ノ原 における『現代最強』だ」
「あれだけの頻度で実戦をこなしていながら、これほど安定した数値を維持しているなんて……どうにも腑に落ちない」
「疑いたくなる気持ちも分かるが、少なくともデータ上は異常は見当たらない」
「……それにしても、あの影は一体何なんだ? まるで映画に出てくる、パラレルワールドの自分とでも言うのか?」
「まさか。葦ノ原の記録にもあっただろう。あの『鈴』の力で、ある程度『未来を借り受けている』って話だ」
緋雪 の大切なアイテム&好物
折り紙
大吉のおみくじ
桜灼で引いた、運勢を占うためのおみくじ。描かれた紋様も占いの結果も、どこからか摘んできた白い小花に、今はすっかり包み隠されている。かつて緋雪は、自分が無事に巫女の座を継げるかどうかを、このおみくじに尋ねたことがあった。その数日後――彼女が引き当てたはずの「大吉」は、いつの間にか何者かの手によって今の姿へと直され、作り変えられていた。
木彫りキット
時間のあるとき、緋雪は一人になれる静かな場所を見つけては、木を彫ることを日課にしている。
人物や動物、草花の風景――ときには芸術的な絵画でさえ、彫刻刀一本で鮮やかに写し取ってしまう。
最近の興味は、エクソスウォーム からスペーストレック・コレクティブ の製作した機械へと移りつつあるらしい。氷原に腰を下ろし、一心不乱にエクソストライダー を彫り上げる姿を見た、と語る学生もいる。
もしかすると、その手に握られた彫刻刀が、いつか腰に差したあの刀に取って代わる日が来るのかもしれない。
緋雪 のストーリー
口に出さなかった言葉
泥酔した玉露から、初めて己の生い立ちを聞かされた夜のこと。緋雪は口元を固く結び、自らの盃にも酒を半分ほど注いだ。
「緋雪……私の、可愛い緋雪ちゃん……っ!」
「あなたには無理よ……あんな、くだらない『桜灼の巫女』になんてならなくていいの。あなたの人生は、こんなはずじゃなかった……こんなはずじゃ、なかったのに……!」
緋雪は静かに目を細めた。普段は威風堂々たる巫女様が、裏ではこれほど無防備な姿を晒していると知ったら、人々はどう思うだろうか。
時計の針だけが進み続け、やがて新たな一日の訪れを告げる。葦ノ原 の数え方に従えば、緋雪はこの瞬間をもって、成人の仲間入りを果たしたことになる。
彼女は小さくため息をつき、目の前の盃をぐいっと飲み干した。
「姉上にできることが、妾にできぬ道理などありませぬ」
喉を焼くような強烈な熱さが、華奢な体にじんわりと染み渡る。
なるほど。大人にならねば口にできぬ代物とは、こういう味であったか。
緋雪は立ち上がって布団を引き出し、酔って呻く玉露にふわりとかけた。
そのまま部屋の隅にうずくまり、しばらくじっとしていたが、やがて再び立ち上がる。玉露の布団の端をきっちりとかけ直すと、彼女は静かに扉を閉め、部屋を後にした。
翌日。承縁の管理担当者に浴びせられる玉露の怒声は、二本先の通りまで響き渡っていた。「鈴」の能力の本質は、「未来の予求」。己の未来から力を前借りする代償として、使い手の寿命を確実に削り取る残酷なものだ。極端な話、今日この「鈴」を受け継いだ者が、明日の戦いで命を落とすことすらあり得る。
だからこそ、通常であれば後継者の選定は極めて早い段階で行われる。玉露は緋雪を指名することを頑なに拒み続けてきたが、十数年もの月日を共に過ごしてきた――緋雪をおいて、他に誰がいるというのだろうか。
荒れ狂う玉露を止められる者などいない。管理担当者も、引きつった笑みを浮かべて平身低頭するしかなかった。
「いやはや……緋雪様でないにしても、どなたか一人を指名していただかないことには、私どもも顔が立ちませんで……」」
玉露は数秒黙り込み、重いため息をついてから、わざとらしく咳払いをした。――とにかく、今はこいつらを怒鳴り散らして追い返すしかない。
結局、この押し問答に終止符を打ったのは、静かに扉を開けて現れた緋雪だった。
「十数年の間、妾は姉上の背中を追い、葦ノ原の隅々まで歩き続けて参りました。どこでどう立ち振る舞うべきか、すべてはこの身に沁みついております」
「巫女として修めるべき武芸も、残らず習得いたしました。針仕事も、作法も、儀式の舞でさえも。姉上が直々に、最高の師を探してくださったではありませぬか」
「姉上……いいえ、桜灼の巫女様。『桜灼』の御名を汚さぬ者は、もはや妾をおいて他にはおりませぬ」
玉露は顔を歪め、激昂して振り上げた手を震わせた。
「すべてを学んだというのなら、その『鈴』があなたの命を奪うことくらい……分かっているのでしょう!?」
「妾はもともと、姉上に拾われた孤児に過ぎませぬ。本当の家族は、あの日の雪の下に消え去りました。ゆえに妾にはもう、断ち切るべきしがらみなど何一つありませぬ」
息が詰まるほど静まり返った部屋に、玉露が手首の鈴を擦る微かな音だけが虚しく響く。
彼女は何かを言いかけ――だが、喉まで出かかったその言葉を、結局は飲み込むことしかできなかった。
「緋雪……私の、可愛い緋雪ちゃん……っ!」
「あなたには無理よ……あんな、くだらない『桜灼の巫女』になんてならなくていいの。あなたの人生は、こんなはずじゃなかった……こんなはずじゃ、なかったのに……!」
緋雪は静かに目を細めた。普段は威風堂々たる巫女様が、裏ではこれほど無防備な姿を晒していると知ったら、人々はどう思うだろうか。
時計の針だけが進み続け、やがて新たな一日の訪れを告げる。
彼女は小さくため息をつき、目の前の盃をぐいっと飲み干した。
「姉上にできることが、妾にできぬ道理などありませぬ」
喉を焼くような強烈な熱さが、華奢な体にじんわりと染み渡る。
なるほど。大人にならねば口にできぬ代物とは、こういう味であったか。
緋雪は立ち上がって布団を引き出し、酔って呻く玉露にふわりとかけた。
そのまま部屋の隅にうずくまり、しばらくじっとしていたが、やがて再び立ち上がる。玉露の布団の端をきっちりとかけ直すと、彼女は静かに扉を閉め、部屋を後にした。
翌日。承縁の管理担当者に浴びせられる玉露の怒声は、二本先の通りまで響き渡っていた。「鈴」の能力の本質は、「未来の予求」。己の未来から力を前借りする代償として、使い手の寿命を確実に削り取る残酷なものだ。極端な話、今日この「鈴」を受け継いだ者が、明日の戦いで命を落とすことすらあり得る。
だからこそ、通常であれば後継者の選定は極めて早い段階で行われる。玉露は緋雪を指名することを頑なに拒み続けてきたが、十数年もの月日を共に過ごしてきた――緋雪をおいて、他に誰がいるというのだろうか。
荒れ狂う玉露を止められる者などいない。管理担当者も、引きつった笑みを浮かべて平身低頭するしかなかった。
「いやはや……緋雪様でないにしても、どなたか一人を指名していただかないことには、私どもも顔が立ちませんで……」」
玉露は数秒黙り込み、重いため息をついてから、わざとらしく咳払いをした。――とにかく、今はこいつらを怒鳴り散らして追い返すしかない。
結局、この押し問答に終止符を打ったのは、静かに扉を開けて現れた緋雪だった。
「十数年の間、妾は姉上の背中を追い、葦ノ原の隅々まで歩き続けて参りました。どこでどう立ち振る舞うべきか、すべてはこの身に沁みついております」
「巫女として修めるべき武芸も、残らず習得いたしました。針仕事も、作法も、儀式の舞でさえも。姉上が直々に、最高の師を探してくださったではありませぬか」
「姉上……いいえ、桜灼の巫女様。『桜灼』の御名を汚さぬ者は、もはや妾をおいて他にはおりませぬ」
玉露は顔を歪め、激昂して振り上げた手を震わせた。
「すべてを学んだというのなら、その『鈴』があなたの命を奪うことくらい……分かっているのでしょう!?」
「妾はもともと、姉上に拾われた孤児に過ぎませぬ。本当の家族は、あの日の雪の下に消え去りました。ゆえに妾にはもう、断ち切るべきしがらみなど何一つありませぬ」
息が詰まるほど静まり返った部屋に、玉露が手首の鈴を擦る微かな音だけが虚しく響く。
彼女は何かを言いかけ――だが、喉まで出かかったその言葉を、結局は飲み込むことしかできなかった。
もう現れない……
「桜灼の巫女」の継承者という重責を担ってから、緋雪の日常は公務という荒波に飲み込まれていった。かつては玉露の背中を追うだけでよかった。だが今は、数多の職務をすべて自らの手で果たさねばならない。
長きにわたり鳴式 の脅威にさらされてきた葦ノ原 は、巫女を主軸とした独自の防衛体制を築き上げている。なかでも「承縁」の一つである「鈴」を託された「桜灼」の地位はひときわ高く、その責務もまた過酷であった。葦ノ原の全土が守護領域となるため、彼女は各地を飛び回って戦い、他の巫女たちの負担をその身一つで引き受け続けた。
一方で、巫女は人々の心の拠り所でもある。祭事や行事に顔を出し、絶望に抗う勇気を民に与えるのもまた大切な役目だ。当然、最高位である桜灼の巫女がその場を空けることなど許されない。
緋雪は、それらすべての務めを見事に果たしてみせた。幼い頃から玉露の傍らにいた彼女にとって、戦いも儀式も、とっくに自らの血肉となっていたのだ。
ただ一つ――玉露は頑なに桜灼の剣術を教えようとはせず、あからさまに緋雪を遠ざけるようになっていた。
ならば、それで構いませぬ。姉上がお教えくださらぬというのなら、その技、妾が盗んでみせるまで。いつか必ず、我がものにしてみせましょう。いつの日にか、必ず――。
だが、その日が訪れることはなかった。
「鈴」の能力の本質とは、いわば「未来の予求」。極端な話、これを受け継いだばかりの者が、すぐ次の戦いで命を散らすことすらあり得るのだから。
管理者が鈴を差し出したとき、どんな言葉を添えていたのか。緋雪はもう、思い出すことができない。
見慣れたはずのその鈴を、どうやって手首に結んだのか。その日の空はどんな色で、玉露の形見となった箱を、誰から受け取ったのか――気づいたとき、彼女は箱の中にあった一枚の「願い札」を、包み込むように握りしめていた。
主を失い、静まり返った桜灼本部の部屋で、ただ呆然と座り込んでいる。心臓の鼓動すら凍りついたかのように、指先は冷たく麻痺していた。
緋雪はゆっくりと重い体を動かし、いつもの部屋の隅に寄りかかると、しばらくの間うずくまった。
手に握られた願い札は、一度くしゃくしゃに握りつぶされ――そして静かに、再び広げられた。
「……ああ」
「……姉上の願い、しかと承りました」
「……次の桜灼の巫女は、もう現れませぬ」
長きにわたり
一方で、巫女は人々の心の拠り所でもある。祭事や行事に顔を出し、絶望に抗う勇気を民に与えるのもまた大切な役目だ。当然、最高位である桜灼の巫女がその場を空けることなど許されない。
緋雪は、それらすべての務めを見事に果たしてみせた。幼い頃から玉露の傍らにいた彼女にとって、戦いも儀式も、とっくに自らの血肉となっていたのだ。
ただ一つ――玉露は頑なに桜灼の剣術を教えようとはせず、あからさまに緋雪を遠ざけるようになっていた。
ならば、それで構いませぬ。姉上がお教えくださらぬというのなら、その技、妾が盗んでみせるまで。いつか必ず、我がものにしてみせましょう。いつの日にか、必ず――。
だが、その日が訪れることはなかった。
「鈴」の能力の本質とは、いわば「未来の予求」。極端な話、これを受け継いだばかりの者が、すぐ次の戦いで命を散らすことすらあり得るのだから。
管理者が鈴を差し出したとき、どんな言葉を添えていたのか。緋雪はもう、思い出すことができない。
見慣れたはずのその鈴を、どうやって手首に結んだのか。その日の空はどんな色で、玉露の形見となった箱を、誰から受け取ったのか――気づいたとき、彼女は箱の中にあった一枚の「願い札」を、包み込むように握りしめていた。
主を失い、静まり返った桜灼本部の部屋で、ただ呆然と座り込んでいる。心臓の鼓動すら凍りついたかのように、指先は冷たく麻痺していた。
緋雪はゆっくりと重い体を動かし、いつもの部屋の隅に寄りかかると、しばらくの間うずくまった。
手に握られた願い札は、一度くしゃくしゃに握りつぶされ――そして静かに、再び広げられた。
「……ああ」
「……姉上の願い、しかと承りました」
「……次の桜灼の巫女は、もう現れませぬ」
散る雪は還らず
「緋雪様、貴方が『桜灼の巫女』となられてから、はや百年が経ちます。もし再び契約を更新されるのであれば……」
「構わぬ。気遣いは無用だ」
「左様でございますか。では、前回の約定通りに……期間はさらに何年と記載いたしましょう?」
「好きに記すがよい」
「……まさか、貴方様までもが先代と同じ道を……ゴホン、失礼いたしました。すべては御心のままに。——『永世桜灼の巫女』様」
管理者が恭しく扉を閉める。付き従うスタッフたちも、すでに三度目の代替わりを終えた頃だろうか。
緋雪は軽く首を振り、机上の封筒を細めた目で見やった。しばしの間を置き、やがて冷めきった茶杯へと手を伸ばす。
先代と同じ……か。
「桜灼の巫女」という名を受け継いでから、一体どれほどの月日が流れたのだろう。
葦ノ原 の教科書に緋雪の名が刻まれるほど、長い年月が過ぎ去った。
長い、だろうか?
……いや、まだ足りない。
あの日、あの願い札を受け取ったときと同じように――緋雪は己の力をもって証明し続けている。次の灼桜の巫女など、もう現れはしないと。やがて後継者選定を急かす声は次第に消え、承縁管理局ですら、灼桜を訪れることを単なる定例業務として扱うようになっていた。おそらく管理者自身も、もはや後継者など不要だと考えているのだろう。「緋雪」という名そのものが、すでに巫女という存在の代名詞となっていた。
だが、緋雪はときおり、ある「声」を耳にする。
それは残星組織の勧誘のような耳障りなものではなく、ただ穏やかに、静かに、残酷な事実を語りかけてくるのだ。
——緋雪よ、あなたはもう十分に耐え抜いてきた。だが、敵である「鳴式 」はさらに果てしない時を持つ。
——あなたが死に絶えるまで。そして、すべての巫女、すべての後継者が尽き果てるその瞬間まで。
鳴式に抗い続けるこの道に、果たして終わりなどあるのだろうか。
冷めきった茶は、何よりも苦く、澱んだ渋みが舌先に絡みつき、息をするたびに不快な重苦しさが胸を圧迫した。
緋雪が指先で封筒を軽く叩くと、それは瞬く間に白銀の霜に覆われ、再び触れれば、未開封の封蝋ごと残星組織の紋章が氷の粒となって砕け散る。
緋雪は立ち上がり、外で掃除をしている子供のもとへ歩み寄った。自分が留守の間、不審な者が入り込まぬよう、しっかり気をつけるのだと静かに言い含める。
やがて柔らかな笑みを浮かべ、子供の頭をそっと撫で、その小さな手のひらにお守りを握らせた。
「巫女様、今回はどこへ行かれるの?」
「穂波に向かう。すぐに戻ってくるゆえ、心配はいらぬ。ここ数日は、このお守りを肌身離さず持っておくのだぞ」
緋雪は背を向け、見送る少女に手を振って別れを告げた。腕の鈴は、今も変わらず眩い光を放っている。
「構わぬ。気遣いは無用だ」
「左様でございますか。では、前回の約定通りに……期間はさらに何年と記載いたしましょう?」
「好きに記すがよい」
「……まさか、貴方様までもが先代と同じ道を……ゴホン、失礼いたしました。すべては御心のままに。——『永世桜灼の巫女』様」
管理者が恭しく扉を閉める。付き従うスタッフたちも、すでに三度目の代替わりを終えた頃だろうか。
緋雪は軽く首を振り、机上の封筒を細めた目で見やった。しばしの間を置き、やがて冷めきった茶杯へと手を伸ばす。
先代と同じ……か。
「桜灼の巫女」という名を受け継いでから、一体どれほどの月日が流れたのだろう。
長い、だろうか?
……いや、まだ足りない。
あの日、あの願い札を受け取ったときと同じように――緋雪は己の力をもって証明し続けている。次の灼桜の巫女など、もう現れはしないと。やがて後継者選定を急かす声は次第に消え、承縁管理局ですら、灼桜を訪れることを単なる定例業務として扱うようになっていた。おそらく管理者自身も、もはや後継者など不要だと考えているのだろう。「緋雪」という名そのものが、すでに巫女という存在の代名詞となっていた。
だが、緋雪はときおり、ある「声」を耳にする。
それは残星組織の勧誘のような耳障りなものではなく、ただ穏やかに、静かに、残酷な事実を語りかけてくるのだ。
——緋雪よ、あなたはもう十分に耐え抜いてきた。だが、敵である「
——あなたが死に絶えるまで。そして、すべての巫女、すべての後継者が尽き果てるその瞬間まで。
鳴式に抗い続けるこの道に、果たして終わりなどあるのだろうか。
冷めきった茶は、何よりも苦く、澱んだ渋みが舌先に絡みつき、息をするたびに不快な重苦しさが胸を圧迫した。
緋雪が指先で封筒を軽く叩くと、それは瞬く間に白銀の霜に覆われ、再び触れれば、未開封の封蝋ごと残星組織の紋章が氷の粒となって砕け散る。
緋雪は立ち上がり、外で掃除をしている子供のもとへ歩み寄った。自分が留守の間、不審な者が入り込まぬよう、しっかり気をつけるのだと静かに言い含める。
やがて柔らかな笑みを浮かべ、子供の頭をそっと撫で、その小さな手のひらにお守りを握らせた。
「巫女様、今回はどこへ行かれるの?」
「穂波に向かう。すぐに戻ってくるゆえ、心配はいらぬ。ここ数日は、このお守りを肌身離さず持っておくのだぞ」
緋雪は背を向け、見送る少女に手を振って別れを告げた。腕の鈴は、今も変わらず眩い光を放っている。
穂波の消失
緋雪もまた、これが千百回ある鳴式の襲撃のひとつに過ぎないと考えていた。彼女は素早く化け物を処理し、いつも通りの手順で結界の点検を進める。
安全な避難所にいた民たちが外に出てくると、両親が子供の手を引き、指差して言った。
「ほら、あそこにいらっしゃるのが桜灼の巫女様だよ」
緋雪は軽く頷いて応え、倒れて通行禁止を示す標識を避けて歩き、再び結界の中へ戻った。
いつも通りだ。心を研ぎ澄ませ、刀を振り抜き、そして納刀する。ただそれだけで――。
いや……何かが違う?
刃先の手応えに、わずかな違和感を覚えた。
緋雪は結界を隅々まで点検したが、目立った異常は見当たらない。それでもその違和感は指の腹にまとわりついたままだ。彼女は柄から手を離すと、手首を回し、指を軽くこすり合わせた……
その時、指先から知らぬ間に滲み出していたのは、虹色に鈍く光る不気味な黒い泥だった。
泥は指の間から滴り落ち、音もなく足元から広がり始める。
緋雪はすぐさま刀を抜き、霜の冷気を凝結させた。
まずはこれを抑え、人々を避難させてから対策を考えよう――そう決意して振り返った瞬間、彼女は言葉を失った。
まるで最初から誰もそこに存在していなかったかのように、その場の空気ごとすべてが消え去り、呼吸さえも強引に止められたかのような、空白の一瞬。
穂波が、消えた。
足元に転がる砕けた標識と、いつの間にか裾を這い上がっていた泥。それ以外、そこには何一つ痕跡は残されていなかった。
前に手を伸ばそうとしても、指先はすくんで動かない。
荒い息を吐き、酸素を求めても、うまく肺に吸い込めない。
手に持った刃を振り下ろそうとしても、斬るべき敵の姿はどこにもない。
残るのは、周波数の痕跡だけ。かつてない激しさで鳴式が活動したことを、無慈悲に証明していた。
葦ノ原の観測記録は残酷な事実を示していた。穂波はあの一瞬のうちに、異空間へと引きずり込まれたのだ。
仲間に連れ添われ、ようやくその場を離れるときも、緋雪は無意識に手首の鈴をさすり続けていた。
あの一瞬の驚愕が、今も彼女を縛りつけ、離さない。
この音なき災厄は、果たして緋雪の責任なのだろうか。
――そうだ。桜灼の巫女でありながら、彼女は穂波を救えなかった。その事実に変わりはない。
――……いや、違う。荒れ狂う鳴式を前に、ひとりの人間が百万の未来を「予め借り受けた」としても、一体何ができるというのか。
桜灼本部に戻った緋雪は、表にいた子供からお守りを返された。
彼女はただ、ぎこちない笑みを浮かべることしかできなかった。
重い足取りで自室へ戻り、扉を開けると、氷で砕いたはずのあの手紙が、何事もなかったかのように机に置かれていた。
緋雪よ――この終わりのない道に、果たして出口はあるのだろうか。
終着点のない旅だとしても
緋雪は残星組織と深く関わることはなかった。人の命を使い捨ての駒としか見ぬ連中に、進んで手を貸す者などいるはずもない。
彼女は自ら葦ノ原 の各地を巡り、自身の周波数を吹き込んだ「シラトリ」――白い鳥の折り紙を置いて回った。そして各地の巫女たちにこう言い含めた。
「このシラトリは妾の心と繋がっておる。もしそなたらの手に負えぬ事態が起きたなら、迷わずこれを握りつぶすがよい。その時は、妾がすぐに駆けつけようぞ」
鳴式 に抗い続けるこの道には、いつか必ず終わりが来るはずだ……いや、この手で終わらせねばならぬ。
そんな折、緋雪はスペーストレック・コレクティブ の噂を耳にした。当時のコレクティブは、調査活動における安全確保という難題に直面していた。
そこで彼女は、自ら「取引」を持ちかけた。自分が探索の盾となり、隊員たちの命を守り抜く代わりに、コレクティブには当時の最高技術を注ぎ込んだ一振りの刀を用意してほしい、と。鳴式の脅威に確実に終止符を打てるほどの斬れ味を持つ刃を。
緋雪は特別対策班の一員としてコレクティブに加入を申請した。かつては多くのメンバーを擁した班も、アレフ1の活発化とともに死傷率は跳ね上がっていた。緋雪の覚悟は決まっていた。今後は彼女一人が鳴式の対策を担い、調査隊員たちの安全をその肩で支え抜くのだ。
赴任当初、コレクティブはまだ基礎の土台しかない荒地だった。しかし、ラハイロイが少しずつ形を成していくのを目の当たりにするうち、彼女は人間の秘めた底力を確信するようになる。スペーストレック・コレクティブの設立は、ソラリス の歴史においても未曾有の開拓劇と言えるだろう。そしてその奇跡は、神の祝福によるものでも、一握りの英雄の力によるものでもない。理想と野心を胸に抱いた人々が世界中から集まり、レンガを一つ一つ積み上げるようにして築き上げた、人類の意志の結晶なのだ。
「ルシラー」
「なあに?」
ルシラーは手慣れた様子で机の下から一本の酒瓶を取り出した。それは、期末テストの合格を願う葦ノ原の学生が、緋雪ゆかりの地にわざわざ供えたものだった。瓶の下には、巫女の加護を求める言葉が、几帳面な字で記されたメモが敷かれている。
緋雪は小さくため息をつき、二つの盃を用意した。そして辺りをキョロキョロと伺うルシラーの前に、静かに差し出す。
「コレクティブは……ソラリスの先にある星空を探索するために、設立されたのだな?」
「ええ、その通りよ」
「その歩みは、今、どこまで届いているのか?」
「はぁ……」
ルシラーは盃を受け取り、一気に飲み干すと、深いため息をついた。
「まだ全然ね。あちこちの研究が行き詰まっているし、上層部は現場も知らずに無茶な要求ばかり押し付けてくるし……」
緋雪は手首の鈴をそっと撫でながら、伏し目がちに問いかけた。
「それなら……この道の終着点にいつ辿り着くのか、考えたことはあるか?」
ルシラーは空になった盃を軽く振り、緋雪の盃にコツンと当てた。
「終わりなんてないわよ、緋雪。あなたが成し遂げようとしていることと同じ。終わりなんて、存在しないの」
「……それでも、私たちは前に進み続けなくちゃいけないわ」
「どこかに辿り着くためじゃないのよ。隣にいる人たちと一緒に、もう一歩を踏み出すためにね」
しばしの沈黙の後、緋雪は静かに頷いた。そして自ら盃を手に取り、喉を焼くような辛さを流し込む。その刺激は、華奢な体に深く染み渡る。
手首の鈴がチリンと鳴る。孤独に歩み続ける「桜灼の巫女」もまた、自身の次なる一歩を、静かに踏み出すのだろう。
彼女は自ら
「このシラトリは妾の心と繋がっておる。もしそなたらの手に負えぬ事態が起きたなら、迷わずこれを握りつぶすがよい。その時は、妾がすぐに駆けつけようぞ」
そんな折、緋雪は
そこで彼女は、自ら「取引」を持ちかけた。自分が探索の盾となり、隊員たちの命を守り抜く代わりに、コレクティブには当時の最高技術を注ぎ込んだ一振りの刀を用意してほしい、と。鳴式の脅威に確実に終止符を打てるほどの斬れ味を持つ刃を。
緋雪は特別対策班の一員としてコレクティブに加入を申請した。かつては多くのメンバーを擁した班も、アレフ1の活発化とともに死傷率は跳ね上がっていた。緋雪の覚悟は決まっていた。今後は彼女一人が鳴式の対策を担い、調査隊員たちの安全をその肩で支え抜くのだ。
赴任当初、コレクティブはまだ基礎の土台しかない荒地だった。しかし、ラハイロイが少しずつ形を成していくのを目の当たりにするうち、彼女は人間の秘めた底力を確信するようになる。スペーストレック・コレクティブの設立は、
「ルシラー」
「なあに?」
ルシラーは手慣れた様子で机の下から一本の酒瓶を取り出した。それは、期末テストの合格を願う葦ノ原の学生が、緋雪ゆかりの地にわざわざ供えたものだった。瓶の下には、巫女の加護を求める言葉が、几帳面な字で記されたメモが敷かれている。
緋雪は小さくため息をつき、二つの盃を用意した。そして辺りをキョロキョロと伺うルシラーの前に、静かに差し出す。
「コレクティブは……ソラリスの先にある星空を探索するために、設立されたのだな?」
「ええ、その通りよ」
「その歩みは、今、どこまで届いているのか?」
「はぁ……」
ルシラーは盃を受け取り、一気に飲み干すと、深いため息をついた。
「まだ全然ね。あちこちの研究が行き詰まっているし、上層部は現場も知らずに無茶な要求ばかり押し付けてくるし……」
緋雪は手首の鈴をそっと撫でながら、伏し目がちに問いかけた。
「それなら……この道の終着点にいつ辿り着くのか、考えたことはあるか?」
ルシラーは空になった盃を軽く振り、緋雪の盃にコツンと当てた。
「終わりなんてないわよ、緋雪。あなたが成し遂げようとしていることと同じ。終わりなんて、存在しないの」
「……それでも、私たちは前に進み続けなくちゃいけないわ」
「どこかに辿り着くためじゃないのよ。隣にいる人たちと一緒に、もう一歩を踏み出すためにね」
しばしの沈黙の後、緋雪は静かに頷いた。そして自ら盃を手に取り、喉を焼くような辛さを流し込む。その刺激は、華奢な体に深く染み渡る。
手首の鈴がチリンと鳴る。孤独に歩み続ける「桜灼の巫女」もまた、自身の次なる一歩を、静かに踏み出すのだろう。
緋雪 のボイスライン
心の声・その一
アレフ1は片付いたが、後始末が残っておる。ラハイロイ には研究者に向かぬ汚れ仕事があるゆえ……まだまだ、妾の手が必要だ。こちらの用が終わり次第、戻ろうと考えておる。だが葦ノ原 は、もう……いずれにせよ、その時になれば会えるであろう。
心の声・その二
残星組織か……この「鈴」を通じて、自らの未来を借り受けることができる力は覚えておるか?その未来の中には、妾が鳴式 の共鳴者となる道があったのだ。それはすなわち、妾が鳴式の力に耐え得る証。ゆえに、多くの勢力から警戒されておった。残星組織が執拗に付きまとってきた理由も、おそらくそこにある。だが、案ずるでない。そのような未来は、すべて借り受けて消えてしまった。あの者たちとは、もう関わることなどないであろう。
心の声・その三
そなたの噂は、かねてより耳にしておった。各地で語られる英雄譚やコレクティブ の調査報告書だけではない……敵からの恨みつらみのような声も。しかし、それらは所詮、他人の評価に過ぎぬ。こうして実際に相まみえたことで、ようやく理解できた……そなたの本当の姿を。もし、早く出会えておれば……妾の進む道も、違うものになっておったのだろうか。
心の声・その四
そなたに……どうしても、打ち明けておかねばならぬことがある。よいか、聞いてくれ。こうして互いに認め合った今でも、妾の心から「わだかまり」は消えぬ……つまり、そなたに嫉妬しておるのだ。妾にも、そなたのような力があれば……すまない。口に出して妾は少しばかり楽になったが、もし不快に感じたようであれば……どのような罰であろうと受ける覚悟はできておる。
心の声・その五
かつて妾は……来る日も来る日も、折れることを願いながら、この刀を振るっておった。春が訪れ、雪が跡形もなく溶ける時……すべてから解放されることを願って。だが、そなたを見て気づいたのだ。永遠に一人で往くものだとばかり思っておったが、妾にも掴めるものがあるかもしれぬ、と。無論、妾とそなたは違う存在。そなたになることなど叶わぬ。もしかしたら……互いの道は、つかの間の交わりで終わる可能性もあろう。だが、そなたが歩む道もそう変わらぬと知った……妾はもう、一人ではない。
好きなこと
余暇には木彫りの人形を作っておる。彫刻とは、細かな工程の積み重ね……それゆえ、心を無にして静まることができるのだ。それに、どのような木であれ、手をかければ結果が返ってくる。骨を折った分だけ報われる物事など、今の世にはそうそうないであろう。
悩み
好きな食べ物
茶といえば、やはり葦ノ原 の玉露こそ至高。幼い頃、大人の湯呑からこっそり口にした時は、ただ苦いだけであったが……清らかな香りの良さが分かるようになると、むしろ一口目の苦みを欲するようになった。
嫌いな食べ物
甘味だ……決して、妾が薄味を好むからではない。ただ、甘いものを口にすると、かつての苦い記憶が呼び起こされるのだ。幸せだった日々が甘かったからこそ……失った時の痛みは深いであろう。
夢
妾の願いか……「桜灼の巫女」が二度と現れぬよう願っておる。鳴式 と絡み合う宿命など、繰り返してはならぬ……あるいは、妾が真に求めておるのは、誰もが凡人として生きていける……そんな世界なのかもしれん。
伝えたいこと・その一
手首の鈴は、葦ノ原 で「承縁」と呼ばれておる。これは桜灼の巫女に代々伝わる、民の願いが込められた秘宝。「予求」の力の源であり、葦ノ原の歳主に由来すると言われておる。そなたは歳主と縁が深いであろう。興味があるなら、外して見せてやってもよい。ふっ……これを吊るしておる紐は、幼い頃に玉露――姉上が編んでくれた髪紐なのだ。皆のために使う鈴よりも、むしろこの紐こそ……妾にとって、かけがえのない宝物と言えよう。
伝えたいこと・その二
妾の過去か……興味があるなら、葦ノ原 の記録でも見てみるとよい。いくらでも出てくるであろう。わざわざ自ら語るのも無粋。何せ、妾からすれば……ただひたすらに刀を振う空虚な日々に過ぎなかったからの。
リンネーについて
元気で良い子と言えよう。あの者の秘密は妾も知っておる。きっと、多くの苦難を乗り越え、再び戻ってきたのであろう。過去に囚われた身として……ある意味、妾たちは似ておるかもしれぬ。だが、あの子には未来がある。誰よりも輝かしい未来を手にする資格も、多様な可能性も開かれておる……ただ、共鳴能力でこっそりと教室に忍び込むのは程々にするよう、伝えておいてもらえぬだろうか。
千咲について
千咲も妾と同じく、葦ノ原 の者だ。あの子とは……あえて関わらぬようにしておる。なぜなら、巫女とは事態が悪化した時に現れる……いわば、不吉の象徴であろう?巷で流行りの推理漫画に出てくる探偵のように。それに、教科書に載っておる者が目の前に現れては……困惑してしまうであろう。よいか、当分の間、葦ノ原のことは伏せておいてくれ。何があろうと……あれは、あの子が背負うべきものではない。
エイメスについて
気丈な良い子だ。ここへ戻るまで、さぞつらい目に遭ったのであろう。あの子がシミュレーターの中で消えた時、妾はちょうど席を外しておってな。調査班から聞いたぞ。進路調査票に、「世界を救う」と書いておったのであろう。ふむ……いったいどう育てば、そのような大志を抱けるようになるのか……少々、興味が湧いてくる。
シグリカについて
あの歳にしては……あまりにも多くの想いを背負いすぎておる。「ソル・スウォーン 」に向けられた人々の願いを、すべて担おうとしておるようだが……まだ、そこまで思い悩むべきではない。そういえば……あの子は妾のシラトリをよく目で追っておったな。うむ……ここを発つ前に、一羽折るとしよう。
ダーニャについて
妾は……あの子に申し訳ないことをしたと思っておる。残星組織の陰謀に、早く気付けておれば……あのような苦しみを味わわずに済んだかもしれぬ。あの一太刀……そなたの力を借りて正気に戻せはしたが、怪我はしておらぬか?容態が良くなったようで安堵した。機会があれば……直接、詫びたいところだ。
ルシラーについて
あの者は、事あるごとに「雇用関係」に過ぎぬと言っておるが……妾には分かっておる。ルシラーの根回しや気遣いがなければ、コレクティブ に残ることも、この刀を手にすることもなかったであろう。一見、気楽に振る舞っておるが……あの背中にかかる重圧は、並大抵のものではない。しばしば「今度こそ辞めるわ!」などと喚いて、鬱憤を晴らしておる……葦ノ原 へ戻る前に、せめて目の前の問題くらい片付けてやらねば。
誕生日祝い
誕生日だそうだな、おめでとう。人が生を受けるということ……それはすべての始まりでもあり、歩む道のりの「起点」でもある。振り返った時、己の歩んできた道が見えるからこそ、次の一歩が正しく踏み出せるものよ。何か祝いの品を用意せねばと思い、あれこれ考えたのだが……そなたには、この白い紙を贈ろう。さあ、好きに願いを書くがよい。なに、遠慮はいらぬぞ。いかなる願いであろうと……必ずや、叶えてみせよう。
余暇・その一
台詞なし。
余暇・その二
台詞なし。
余暇・その三
台詞なし。
自己紹介
緋雪……最後の桜灼の巫女だ。鳴式を討つためとあらば……この刀、そなたに捧げよう。
最初の音
……散りゆく定めか。
チームに編入・その一
そなたの願い、妾に託すがよい。
チームに編入・その二
うむ、妾なら此処におる。
チームに編入・その三
よかろう、そなたの采配に委ねん。
突破・その一
うむ……刃が一段と冴え渡っておる。
突破・その二
修練の道は先が見えぬ。だが、妾ならさらに高みへ至ることも……
突破・その三
この力があれば、より多くの願いを守れるであろう。
突破・その四
往く道に、続きがあったとは。妾の身に宿る祈りも……今度こそ、実を結ぶかもしれぬ。
突破・その五
刀の声が聞こえるであろう?そなたの望みとあらば、この刃でいかなる願いも切り開いてみせよう。
通常攻撃・1
下がるがよい。
通常攻撃・2
散りゆく定め。
通常攻撃・3
眠るがよい。
通常攻撃・4
終いだ。
重撃・1
逃げようとて遅い。
重撃・2
遅い……哀れな。
重撃・3
好機、未だ来ず。
重撃・4
悪足掻きのつもりか?
重撃・5
待ちきれぬか?
重撃・6
……騒々しいな。
重撃・7
何処を見ておる。
重撃・8
生は朝露、死は秋葉の如し。
重撃・9
覚悟はできておろうな?
共鳴スキル・1
定め、ここに尽きたり。
共鳴スキル・2
回帰の太刀。
共鳴スキル・3
雪花となりて散れ。
共鳴スキル・4
舞え!
共鳴スキル・5
共に奈落へ参ろう。
共鳴スキル・6
落ちよ!
共鳴回路・1
雪鳴り。
共鳴回路・2
花断ち。
共鳴回路・3
霜月落とし。
共鳴解放・1
……雪の刻。
共鳴解放・2
浮世、初雪の如く儚し。
共鳴解放・3
黄泉路とは絶路……帰る術なし。
共鳴解放・4
舞い散る桜よ、すべて妾のもとに。
共鳴解放・5
修羅の道、心は雪の如く。
共鳴解放・6
衆生の願い、この身に宿さん。
変奏スキル
妾に任せるがよい。
回避反撃・1
無駄なことを。
回避反撃・2
遅い。
ダメージ
久方ぶりの痛み……
重傷・1
案ずるな、傷は浅い。
重傷・2
油断するな、下がっておれ。
重傷・3
まだ、倒れるわけには……
戦闘不能・1
雪はいずれ、解けゆく定め……
戦闘不能・2
覚悟なら、とうに……
戦闘不能・3
これが、最期になろうとは……
音骸スキル・召喚
往くがよい。
音骸スキル・変身
その力、借り受ける。
敵に遭遇
油断してはならぬ、妾の後ろに立つのだ。
滑空
ほう……変わった道具だな。
スキャン
ふむ、ここにあったか。
ダッシュ
さあ、参るとしよう。
補給獲得・1
そなたに預けよう。
補給獲得・2
入り用の品はあったか?
補給獲得・3
妾たちに相応しい実りだ。