情報
ルパ
ルパ VA
中国語: 朔小兔
日本語: 髙橋ミナミ
韓国語: Kim Ye Reong
英語: Kaja Chan
ルパ のフォルテ調査報告
共鳴力
火を喰らう咆哮
共鳴評価報告
「グラディエーターの身体状況報告」
選手名:ルパ
幼少期の闘技試合中、後天的に目覚めた共鳴能力者。共鳴歴は、およそ十数年。
スペクトルから推測した結果、共鳴源は「火」であることが分かった。しかし、他の標準スペクトルも一定の類似性を示しているため、共鳴源は断言はできない。
試合の参加数が増えるにつれ、能力の強さと使い手の技術が向上している。
音痕は腰の左側に位置しており、共鳴後は「狼」に異化する特徴を持つ。
本人によると、どうやら尻尾の有無だけでなく、嗅覚や聴覚が鋭くなるといった変化も起きているようだ。
「これで記録は終了です。お疲れ様でした、ルパ選手。
……コホン。それと、その……うちの子はルパ選手の試合が好きでして……よろしければ、サインをもらえないでしょうか?」
オーバークロック診断報告
「試合前の身体状況確認」
選手名:ルパ
当該選手の波形は楕円形。時間領域表示は安定しており、異常波形は見られない。
診断結果:オーバークロック域は広く、安定しているため、オーバークロックのリスクはない。
オーバークロック歴なし。
「ルパ選手は定期的に健康診断を受けていますが、彼女のような選手は稀ですね」
ルパ の大切なアイテム&好物
古びたバッジ
ルパの両親に対する記憶は、今や曖昧なものになってしまった。そこにあったはずの繋がりは、すでに断たれている。
しかし、故郷の小さな村で、カンピドーノ城についてよく話した記憶はある……両親はシルヴァファミリーの分家だったが、何年も前に負けた試合が原因で、あの美しい村を追われたそうだ。今の落ちぶれた生活に頭を悩ます二人は、生計を立てるために苦労していた。そのせいか、度々喧嘩する姿が見られた。
それでも両親は、この小さなバッジを鍛冶屋に依頼して作ってくれたのだ――ルパの初勝利を祝って。
ガマズミの花束
試合場に贈られてきた花束のひとつ。
勝利と栄光が花言葉であるビバーナムティヌスは、グラディエーターによく贈られる花である。ルパはアウレディウスコロッセオで行なわれた初試合で、俊敏な動きや猛攻撃を見せ、観客から喝采を浴びた。観客の数が増えるにつれ、歓声は大きくなっていく。その日はルパを称えるかのように、日の光が輝いていた。
いくつもの花束を抱えながら、ルパは休憩室に向かう。その途中で、自分が声を出して笑っていることに気づいた。
ミニパタの置物
セブン・ヒルズでは彫刻芸術が盛んである。グリフォンのために、英雄のために、そして伝説のために、たくさんの像を作っているからだ。中には時々、可愛い音骸の像もあったりする。
中でも、ルパのお気に入りはパタだ。丸くて柔らかく、いつも元気な様子を見ていると、気分が良くなる。
そこでルパは、相棒にパタの置物を送った。
二体のパタは耳をパタパタさせて、今にも闘技場へ向かおうとしているかのようだ――その姿は、ルパと{PlayerName}が共に歩んできた輝かしい旅路を思い起こさせる。
ルパ のストーリー
心の炎
暑さと乾き……それがルパが生まれた村に抱いた最初の印象だった。
長い夏の太陽によって、湖さえも熱を帯びていた。しかし、セブン・ヒルズの子どもは暑さをものともしない。遠くに聳え立つカンピドーノ城で、闘技大会が始まろうとしている。この村から大会に出場した選手は今まで一人もいなかったが、賑やかな雰囲気に憧れた子どもたちは武器を取り、大会を模した戦いを楽しんでいた。
試合の最中、ルパは両親に呼び戻される。そこで彼女は、「カンピドーノ城で暮らしてみないか」と尋ねられた。ルパは「暮らしてみたい」と答える。さらに共鳴者となる可能性があることから、「グラディエーターになってみたいか」と聞かれた。少女は大きく頷く。このようなやり取りは今まで何度もあったが、ルパは必ず新しい物事に挑戦する道を選んできた。答えを聞いた両親は、胸を撫で下ろしたような表情を見せる。二人は心配だったのだ。たとえ、これまで前向きな返事がもらえていたとしても。
だが、両親の間で意見の違いが生じてしまう。困っていた自分たちを見捨てたシルヴァファミリーに歩みを寄るか、それとも別の道を進むか。あの美しい町や付き合いがあったファミリーのことになると、認められたい気持ちと断られる心配から不安定になってしまう――ルパの考えを聞いている時と同じように。
椅子に座りながら、ルパは二人の言い争いを眺めていた。しかし、長くなりそうな様子を察して試合に戻った。焦燥がまるでジメジメした雲のように、小さな家の中で膨れ上がってはルパの頭にのしかかる。もどかしい熱と妙な怒りが血管を流れ、ますます体が熱くなっていく。衝動に駆られたルパは、村の小さな試合場を駆け、槍を再び手にして戦いに加わる。
その瞬間、周囲から驚きの声が上がった。
疑問に思い意識を自分に向けたところ、体から炎が溢れ出し、激しく燃え広がっていたのだ。
長い夏の太陽によって、湖さえも熱を帯びていた。しかし、セブン・ヒルズの子どもは暑さをものともしない。遠くに聳え立つカンピドーノ城で、闘技大会が始まろうとしている。この村から大会に出場した選手は今まで一人もいなかったが、賑やかな雰囲気に憧れた子どもたちは武器を取り、大会を模した戦いを楽しんでいた。
試合の最中、ルパは両親に呼び戻される。そこで彼女は、「カンピドーノ城で暮らしてみないか」と尋ねられた。ルパは「暮らしてみたい」と答える。さらに共鳴者となる可能性があることから、「グラディエーターになってみたいか」と聞かれた。少女は大きく頷く。このようなやり取りは今まで何度もあったが、ルパは必ず新しい物事に挑戦する道を選んできた。答えを聞いた両親は、胸を撫で下ろしたような表情を見せる。二人は心配だったのだ。たとえ、これまで前向きな返事がもらえていたとしても。
だが、両親の間で意見の違いが生じてしまう。困っていた自分たちを見捨てたシルヴァファミリーに歩みを寄るか、それとも別の道を進むか。あの美しい町や付き合いがあったファミリーのことになると、認められたい気持ちと断られる心配から不安定になってしまう――ルパの考えを聞いている時と同じように。
椅子に座りながら、ルパは二人の言い争いを眺めていた。しかし、長くなりそうな様子を察して試合に戻った。焦燥がまるでジメジメした雲のように、小さな家の中で膨れ上がってはルパの頭にのしかかる。もどかしい熱と妙な怒りが血管を流れ、ますます体が熱くなっていく。衝動に駆られたルパは、村の小さな試合場を駆け、槍を再び手にして戦いに加わる。
その瞬間、周囲から驚きの声が上がった。
疑問に思い意識を自分に向けたところ、体から炎が溢れ出し、激しく燃え広がっていたのだ。
山と城
両親に連れられ、ルパはセブン・ヒルズ城にやってきた。
真っ白な石の床に、澄んだ風鈴の音。様々な場所に飾られている英雄たちの彫刻。そんな町並みの中でルパが最も気になったのは、至る所にいるグラディエーターの存在だ。彼らの武器や音骸、熱いチーム同士の会話やポイントに関する話し合いの一つひとつが心を揺さぶる。ルパの体内で燃えている火種が成長していく。すぐにでもアウレディウスコロッセオに立ち、気持ちの良い闘技に興じたい気持ちが大きくなっていった。
しかし、両親と共にシルヴァファミリーの屋敷に向かったルパは、自分と似たような子がたくさんいることを知り、現実に引き戻される。
ユリアは子どもたちの中からルパを呼ぶ。
前に出たルパは、シルヴァファミリーの当主に鋭い目で睨まれる。その青い瞳は、まるで底しれぬ深い井戸のように、選手としての商業的な価値を見定めているかのようだった。思わず目を逸らしたルパは、後ろの両親の存在を確認しようとしたが、いつの間にかいなくなっている。二人の姿は、遠い影の中に消えていた。
おそらく、両親はシルヴァファミリーから多額の報酬を受け取ったのだろう。でなければ、自ら愛しい子どもを差し出すわけがない。
だが、その事実を知ってもルパは悲しまなかった――正確には、試合や接待で多忙を極め、悲しんでいる余裕などなかったと言うべきだろう。ユリアはあの手この手で、ルパを華やかな舞台の中心に立たせる。しかし、喝采の声が大きくなればなるほど、ルパの声はかき消されていった。
真っ白な石の床に、澄んだ風鈴の音。様々な場所に飾られている英雄たちの彫刻。そんな町並みの中でルパが最も気になったのは、至る所にいるグラディエーターの存在だ。彼らの武器や音骸、熱いチーム同士の会話やポイントに関する話し合いの一つひとつが心を揺さぶる。ルパの体内で燃えている火種が成長していく。すぐにでもアウレディウスコロッセオに立ち、気持ちの良い闘技に興じたい気持ちが大きくなっていった。
しかし、両親と共にシルヴァファミリーの屋敷に向かったルパは、自分と似たような子がたくさんいることを知り、現実に引き戻される。
ユリアは子どもたちの中からルパを呼ぶ。
前に出たルパは、シルヴァファミリーの当主に鋭い目で睨まれる。その青い瞳は、まるで底しれぬ深い井戸のように、選手としての商業的な価値を見定めているかのようだった。思わず目を逸らしたルパは、後ろの両親の存在を確認しようとしたが、いつの間にかいなくなっている。二人の姿は、遠い影の中に消えていた。
おそらく、両親はシルヴァファミリーから多額の報酬を受け取ったのだろう。でなければ、自ら愛しい子どもを差し出すわけがない。
だが、その事実を知ってもルパは悲しまなかった――正確には、試合や接待で多忙を極め、悲しんでいる余裕などなかったと言うべきだろう。ユリアはあの手この手で、ルパを華やかな舞台の中心に立たせる。しかし、喝采の声が大きくなればなるほど、ルパの声はかき消されていった。
行き先は何処
ルパが訓練室に戻ると、数か月前からチームを組んでいた仲間がいなくなっていた。
困惑しながら、暗い部屋を歩く。共鳴能力は多くのメリットをもたらしてくれた。それは火や鋭い嗅覚だけでなく、暗視能力も。椅子のそばまで行き、静かな闇の中で座り込む。
「どうせ当主かマネージャーが次の人を手配するだろ」――ルパはそう考えた。
茶番は終わりだ。
前々から、チームの情報を流出させている者がいた。調査した結果、チームメイトによる仕業だったようだ。ユリアは甘くない。今後、カンピドーノ城の闘技場に足を踏み入れることはないだろう。
ここ数年、ルパの名声が大きくなるにつれ、チームメイトも入れ替わってきた。単純にルパの成長速度に追いつけなかった人もいれば、ユリアに気に入られなかった人もいた。それ以外に、最初から悪意を持ってチームに加わった人や無関心な観客に耐えられなかった人も。注目を集めるのは、いつもルパだけだった。
この状況を変えようとルパは悩んだが、すぐ気づいてしまう。慰めの言葉をかけるほうが、むしろ傷つけてしまうことに。
置かれた状況の違いや勝利を掴み取る強さから、「何も理解していない」と言われることが多かった。周囲からすれば、恵まれた存在だと思われていたのかもしれない。
そういった経験から、徐々に彼女の口数は減っていった。
ルパは椅子から立ち上がると、何度も繰り返し見ている試合のレコードを取り出す。その映像に登場する選手は、自分の才能を受け入れながらも、闘技を楽しんでいた。尤も、その人物はすでに闘技場から離れてしまっているが……
アナウンサーブライアンの光が差し込んだルパの顔には、深い影が落ちていた。
困惑しながら、暗い部屋を歩く。共鳴能力は多くのメリットをもたらしてくれた。それは火や鋭い嗅覚だけでなく、暗視能力も。椅子のそばまで行き、静かな闇の中で座り込む。
「どうせ当主かマネージャーが次の人を手配するだろ」――ルパはそう考えた。
茶番は終わりだ。
前々から、チームの情報を流出させている者がいた。調査した結果、チームメイトによる仕業だったようだ。ユリアは甘くない。今後、カンピドーノ城の闘技場に足を踏み入れることはないだろう。
ここ数年、ルパの名声が大きくなるにつれ、チームメイトも入れ替わってきた。単純にルパの成長速度に追いつけなかった人もいれば、ユリアに気に入られなかった人もいた。それ以外に、最初から悪意を持ってチームに加わった人や無関心な観客に耐えられなかった人も。注目を集めるのは、いつもルパだけだった。
この状況を変えようとルパは悩んだが、すぐ気づいてしまう。慰めの言葉をかけるほうが、むしろ傷つけてしまうことに。
置かれた状況の違いや勝利を掴み取る強さから、「何も理解していない」と言われることが多かった。周囲からすれば、恵まれた存在だと思われていたのかもしれない。
そういった経験から、徐々に彼女の口数は減っていった。
ルパは椅子から立ち上がると、何度も繰り返し見ている試合のレコードを取り出す。その映像に登場する選手は、自分の才能を受け入れながらも、闘技を楽しんでいた。尤も、その人物はすでに闘技場から離れてしまっているが……
アナウンサーブライアンの光が差し込んだルパの顔には、深い影が落ちていた。
名もなき人
名もなき人は、おぼつかない足取りで、沈黙した栄光の巨像の傍らを通り過ぎてゆく。
徐々に歩みは重みを増し、記憶が朧気になっていく。まともな思考力を失った結果、カルテジアの声にすら眉をひそめてしまう。長いこと、何も考えられなくなっている。
しかし、この短い旅路は、そろそろ終わりを迎えるようだ。
セブン・ヒルズ……彼女の美しい町は、今や黒潮に呑み込まれてしまった。名もなき人は、自分にチャンスが残されているのかすら分からなかった。この調査も、もしかしたら無駄なのかもしれない。そう諦めかけていたが、カルテジアはそうは思っていなかった。
こうしている今も、穢らわしい冷たい海に体が侵食されていく。骨や血肉を蝕まれ、自分が別の何かに変わっていくような感覚に陥る。
幸い、名もなき人は理解していた。おそらく、黒潮の侵食が完了する前に、自分が消えてなくなることを――これならカルテジアに余計な面倒をかけずに済む。
誰かとチームを組む時、ほとんど強い立場にあった自分が、こんなにも無力な状態は初めてだ。あまりの状態の悪さから、カルテジアの足手まといになっている。不甲斐なさに胸を締めつけられながらも、何もできずにいた。今はただ、祈り続けるしかない。カルテジアに聞いた、あの義人が一刻も早く駆けつけてくれることを。
「あたしが力になれたら良かったのによ」
彼女は歯を食いしばりながら槍で体を支え、一歩ずつ前進する。
「せめて、何かできねぇのか……?」
名もなき人は顔を上げた。セブン・ヒルズに栄光をもたらした英雄が、槍を手に持ち自分を見下ろしている。石で彫られた顔からは、どこか憐れみを感じた。
彫像は言葉を発さない。だが、空から降り注ぐ黒い雨を遮り、こうして後継者を守り続けている。
徐々に歩みは重みを増し、記憶が朧気になっていく。まともな思考力を失った結果、カルテジアの声にすら眉をひそめてしまう。長いこと、何も考えられなくなっている。
しかし、この短い旅路は、そろそろ終わりを迎えるようだ。
セブン・ヒルズ……彼女の美しい町は、今や黒潮に呑み込まれてしまった。名もなき人は、自分にチャンスが残されているのかすら分からなかった。この調査も、もしかしたら無駄なのかもしれない。そう諦めかけていたが、カルテジアはそうは思っていなかった。
こうしている今も、穢らわしい冷たい海に体が侵食されていく。骨や血肉を蝕まれ、自分が別の何かに変わっていくような感覚に陥る。
幸い、名もなき人は理解していた。おそらく、黒潮の侵食が完了する前に、自分が消えてなくなることを――これならカルテジアに余計な面倒をかけずに済む。
誰かとチームを組む時、ほとんど強い立場にあった自分が、こんなにも無力な状態は初めてだ。あまりの状態の悪さから、カルテジアの足手まといになっている。不甲斐なさに胸を締めつけられながらも、何もできずにいた。今はただ、祈り続けるしかない。カルテジアに聞いた、あの義人が一刻も早く駆けつけてくれることを。
「あたしが力になれたら良かったのによ」
彼女は歯を食いしばりながら槍で体を支え、一歩ずつ前進する。
「せめて、何かできねぇのか……?」
名もなき人は顔を上げた。セブン・ヒルズに栄光をもたらした英雄が、槍を手に持ち自分を見下ろしている。石で彫られた顔からは、どこか憐れみを感じた。
彫像は言葉を発さない。だが、空から降り注ぐ黒い雨を遮り、こうして後継者を守り続けている。
大小さまざま
「物語」が終わると、ルパは約束通り{PlayerName}とカルテジアを連れて、セブン・ヒルズを見て回った。
たとえ自分たちしか知らないとしても、確かに三人は語り継がれる詩のような大冒険を経験したのだ。
一段落して気が緩むと、ルパの心にある不安が生じる。
それは{PlayerName}のこと、最高の相棒を思ってのことだった。
相棒は自分よりも強い。セブン・ヒルズの救済は相棒の協力なくして不可能だった。当たり前のように{PlayerName}は、勝利を掴み取った。かつて自分がそうしてきたように――だからこそ、不安になるのだ。多くの勝利を重ねるほど、挫折は大きくなるもの。人は時に、呆気なく潰れてしまう。
{PlayerName}は強い。{Male=彼;Female=彼女}が挫折してしまうことなど、想像もつかない。だが、もしそんな日が来たら……
そんな想いとは裏腹に、ルパは何も言えなかった。今は、ただ相棒の味方でいることしかできない。けれど、大いなる運命に立ち向かおうとする相棒にとって、自分の影響など取るに足らない。物事には大小があり、町の救済は大きく、試合の一勝などは小さなもの
――ただ、これは必ずしも事実に即していない。
ルパは想いを{PlayerName}に明かさなかった。共に旅をして、町を救った経験も大きいが、その過程でたくさんのものも得られたこと。相棒にとっては、ありふれた勝利だったかもしれない。だが、ルパの中では違った……準決勝で勝利を手にしてから、休憩室で相棒の肩を借りて休んだ時間は、本当に嬉しかった。あんな気持ちは初めて抱いた。
{PlayerName}にとって過程に過ぎない出来事だとしても、それを疎かにしなかった。おかげでルパは、再び純粋に闘技を楽しむ気持ちを思い出せた。
心の中で燻っていた焦りは、もうどこにもない。
たとえ自分たちしか知らないとしても、確かに三人は語り継がれる詩のような大冒険を経験したのだ。
一段落して気が緩むと、ルパの心にある不安が生じる。
それは{PlayerName}のこと、最高の相棒を思ってのことだった。
相棒は自分よりも強い。セブン・ヒルズの救済は相棒の協力なくして不可能だった。当たり前のように{PlayerName}は、勝利を掴み取った。かつて自分がそうしてきたように――だからこそ、不安になるのだ。多くの勝利を重ねるほど、挫折は大きくなるもの。人は時に、呆気なく潰れてしまう。
{PlayerName}は強い。{Male=彼;Female=彼女}が挫折してしまうことなど、想像もつかない。だが、もしそんな日が来たら……
そんな想いとは裏腹に、ルパは何も言えなかった。今は、ただ相棒の味方でいることしかできない。けれど、大いなる運命に立ち向かおうとする相棒にとって、自分の影響など取るに足らない。物事には大小があり、町の救済は大きく、試合の一勝などは小さなもの
――ただ、これは必ずしも事実に即していない。
ルパは想いを{PlayerName}に明かさなかった。共に旅をして、町を救った経験も大きいが、その過程でたくさんのものも得られたこと。相棒にとっては、ありふれた勝利だったかもしれない。だが、ルパの中では違った……準決勝で勝利を手にしてから、休憩室で相棒の肩を借りて休んだ時間は、本当に嬉しかった。あんな気持ちは初めて抱いた。
{PlayerName}にとって過程に過ぎない出来事だとしても、それを疎かにしなかった。おかげでルパは、再び純粋に闘技を楽しむ気持ちを思い出せた。
心の中で燻っていた焦りは、もうどこにもない。
ルパ のボイスライン
心の声・その一
はぁ……ちょっと歩いてるだけで記者に撮られちまった。いや、あたしだけのせいじゃねぇな。チャンピオンを取ったのは相棒も一緒だ。ファンがたくさん集まってくるかもしれねぇぞ~?まぁ、あたしが何とかしてやる。雑誌に色々と書かれて変に注目を集めるのは避けたいだろ?それに嬉しいことは、あたしたちだけが覚えてればいい!
心の声・その二
相棒と勝負をしていると、いつも小さい頃を思い出す。観客も拍手も栄誉もなく、紙の「武器」でじゃれ合ってた時の話だ。純粋な子どもたちは、勝っても負けても最後には抱き合って、相手を讃え合うんだ。なぁ相棒、ちょっとだけいいか……?
心の声・その三
相棒もやってみてぇのか?もちろんいいぜ!まずはこの櫛を使ってくれ。尻尾の手入れには、いろんな種類の櫛を使い分けるべきだとか何とか言いながら、助手が買ってきてくれてよ。ん……相棒、器用だな。すげぇ気持ちいいぜ……自分で手入れをしても……ふわぁ……こんなに眠くはならねぇ、のに……すぅ……
心の声・その四
相棒と別れて一人になった時、実は少し不安だったんだ。カルテジアの手から相棒の手に渡った希望が、今度はあたしに託されたわけで……絶対に勝利を勝ち取るしかなかったからな。でも、失敗を恐れて戦いから目を背けてたら、勝利は掴めねぇ。それに……あたしは相棒が選んだ「主役」だ。がっかりさせるわけにはいかねぇだろ?
心の声・その五
あたしはたくさんの栄誉を手に入れてきた。でも、一番大切なのは相棒と一緒に取ったチャンピオンの称号だぜ。あたしはこの町が好きだ。セブン・ヒルズの人たちも、風景も、土地も……もちろん誇りや栄光だけじゃなくて、汚れも失意も含めて、この町が好きだ。相棒はずっとセブン・ヒルズにいてくれるわけじゃねぇ。きっと、相棒からしてみれば、ほんの一瞬に過ぎねぇんだろうな。でも、あたしにとって一緒に過ごした時間は、燃え盛る炎みてぇなものだ。これから再び闇が落ちてこようと、この思い出があたしを照らし続けてくれる。
好きなこと
訓練後にセブン・ヒルズの温かいお湯に浸かることだな。アレは疲労回復によく効くぜ。相棒も試してみないか?
悩み
冬は尻尾に静電気が溜まってな……手入れが面倒で仕方ねぇ。
好きな食べ物
新鮮な肉で作ったサルティンボッカだな~あたしは伝統的なセブン・ヒルズの味が好きなんだ。唐辛子を少し入れてアレンジするのはいいけど、ラグーナ人みてぇに変な酸味の効いたソースを入れるのはなしだぜ!
嫌いな食べ物
「ヴィトルズ」だな――あぁ、人じゃなくて音骸が作った飯のことだ。どうもあっさりした味付けでよ……もしかして、セブン・ヒルズの音骸は調味料が嫌いなのか?
夢
あたしはただ、闘技場で戦う喜びを味わいたいだけだ。勝敗なんて、どうだっていい。自分が武器を振るう時の高鳴る鼓動や興奮から来る熱気、そして人々の叫び声に拍手……それが全てっていう純粋な時間に、余計なものはいらねぇ。あの瞬間を味わうためだったら、どれだけ大変な道のりもあたしは乗り越えてみせるぜ!ははっ、まぁもちろん、闘技を一生続けていくのは難しいだろうけどよ……でも、あたしはそう簡単に負けやしねぇ!ぜってぇにな!
伝えたいこと・その一
ユリアがくれた、この槍だ……あぁ、これはあたしがゼブン・ヒルズの闘技場に初めて入った時から使ってる。あの時のあたしは、ちょっと才能があるだけの子どもに過ぎなかった。でもユリアは、いろんな奴がいたのにあたしを選んでくれたんだ――だからこそ、理不尽な契約を提示してきたり、変な思惑に利用してきたりしても黙ってた。いつか誇りを取り戻して、心の闇や欲望を抑えてくれると思ってたけどよ、結局……
伝えたいこと・その二
空っぽの町を彷徨い続けた日の記憶は、もうはっきり思い出せねぇ。城壁は潮に侵蝕され、町の人たちは消え、化け物が徘徊してた。あんなセブン・ヒルズは見たことがねぇ。思い出すだけで胸が苦しくなるぜ。だからあたしは、足掻き続けた。何度でも立ち上がって、この町を絶対に救ってやる……その一心で、あたしは……
カルテジアについて
あの空っぽの町で苦しんでたあたしに、カルテジアは手を差し伸べてくれた。しばらく人と会話してなかったのか、最初はちょっと緊張してるみてぇだったな。でも、実は活発な性格だってことに後から気づいたぜ。ずっと閉じ込められてたなんて、想像できねぇくらい大変だったはずだ……でも、苦しい旅路は終わった。これからは安らかな時間を過ごせるといいな。
オーガスタについて
昔の闘技レコードを見て、いつも思うんだ。総督が闘技に参加してたのは政治的に必要だったからなのか、それとも自分を証明するためだったのか、どっちなんだろうってな……でも、そこにどんな理由があったにせよ、オーガスタが総督になって良かったと思ってるぜ。何かを変えようと思った時、一番難しいのは最初の一歩だ。だからあたしは、総督を尊敬してる。
ユーノについて
啓示を得ようと思って真殿に行くことはほとんどねぇから、諭しの女のことはよく分からねぇ。ただ、ユーノの型破りな性格を嫌ってる貴族がいるのは知ってる。でも、あたしは結構気に入ってるぜ。ははっ、あんな風に人の注目を集めるなんて、面白いと思わねぇか?
ブラントについて
アジュールオーシャンのグラディエーターの多くは、愚者の劇団から来てるんだ。この前クリフポートに行ったら、あのキャプテンが甲板から飛び降りて、グラディエーターたちと抱き合ってたな。何を話してるのか気になって見てたら、今度は歌い始めてよ……!
ミアについて
初めてミア選手のレコードに触れた時、あたしはその純粋さに惹かれた。当時のチームメイトから、「置いていかれる人の苦しみが分かってない」って言われたこともあってな。それまで気にしてこなかった悲しむ人の声が、あたしの心に届いてくるようになった。強者と弱者、勝利と敗北……ここまで来られたのは、ただの運だけかもしれねぇ――そんな思いが心をよぎると、あたしは迷った。でもミア選手は、人生をかけて証明してくれた。勝利とは、全力を尽くすことだってな。
誕生日祝い
誕生日おめでとう、相棒!ははっ、驚いたか?あたしが忘れるわけねぇだろ?ホテル・レオニダスで、お祝いの準備ができてるぜ。いつでも帰ってこられるように、あたしは待ってるからよ。ほら、窓の外を見てくれ!相棒のために花火も用意したんだ。闘技が盛んなセブン・ヒルズは、お祝いも得意なんだぜ~それじゃ、麦ジュースで乾杯といくか!
……どうしてもダメか?分かったよ……じゃあ、まずは目を閉じて願い事をしよう。
……どうしてもダメか?分かったよ……じゃあ、まずは目を閉じて願い事をしよう。
余暇・その一
来たか!
余暇・その二
この前の闘技、実は序盤にちょっとミスっちまってよ。バレなくて良かったぜ。向こうも後からチャンスを見落としてたことに気づいてさ。でも冷静さを失った相手は、あたしの一撃を直に食らってノックアウトだ!
余暇・その三
台詞なし
自己紹介
セブン・ヒルズのグラディエーター、ルパだ。人の目なんて気にするな、相棒――勝利を存分に味わおうぜ!
最初の音
ふっ、もう次の試合が始まるのか?
チームに編入・その一
相棒、あたしの力が必要か?
チームに編入・その二
狙った獲物は逃がさねぇ!
チームに編入・その三
相棒が戦ってるのに、見てるだけじゃいられねぇだろ!
突破・その一
ますます息が合ってきたな。
突破・その二
すげぇ!特訓の記録を見ながら復習してみるぜ。
突破・その三
あたしが興奮してるって……?まぁ、否定はしねぇ。これから先も相棒とは、ずっと勝負を続けてぇからな……
突破・その四
足りねぇ、まだ足りねぇ……もっかいだ、相棒!勝負してくれ!
突破・その五
相棒は戦いを繰り返しても疲れた様子を見せねぇな?あたしも強くなって、前に進みてぇんだ。それで、相棒の背中を任せてもらう……あんたにとって、一番頼もしい相棒になってみせるぜ。
重撃・1
血の戦いだ!
重撃・2
勝負だ!
重撃・3
闘技開始!
共鳴スキル・1
噛みつくぜ。
共鳴スキル・2
まずはあんただ。
共鳴スキル・3
ビビってるのか?
共鳴スキル・4
あっけねぇな。
共鳴スキル・5
恐れてるのか?
共鳴スキル・6
もう終わりか。
共鳴スキル・7
暗闇を打ち破る!
共鳴スキル・8
悪党は噛み殺す!
共鳴スキル・9
濁流を払い除ける!
共鳴スキル・10
集まれ、光の炎!
共鳴スキル・11
讃えろ、この身を!
共鳴スキル・12
吠えろ、希望の声を!
共鳴スキル・13
息ぴったりだな!
共鳴スキル・14
いい連携だ!
共鳴スキル・15
一緒に行くぞ!
共鳴解放・1
凱旋の歌を、この槍に!
共鳴解放・2
殺し合いの始まりだ!
共鳴解放・3
勝利を追い求めて!
変奏スキル・1
大いに讃えろ!
変奏スキル・2
雄叫びを上げろ!
ダメージ・1
まだまだっ!
ダメージ・2
それが本気か?
重傷・1
くっ、なんて勢いだ。
重傷・2
試合は後半戦だ!
重傷・3
屈辱だぜ……!
戦闘不能・1
戦士として、尊厳ある死を……
戦闘不能・2
ビバーナムティヌスの香り……
戦闘不能・3
あたしもグローリアヴェイルに帰るのか……
音骸スキル・召喚
付いてこい!
音骸スキル・変身
これも戦術だぜ!
敵に遭遇
しっ、獲物が息を潜めてやがる。
滑空
荒野の風!
スキャン
クンクン、そこに隠れてるのか。
補給獲得・1
う~ん、獲物発見!
補給獲得・2
ははっ、悪くない収穫だ。
補給獲得・3
先に選んでいいぜ~