天滙座-λ、この不思議な天体は奇妙な軌道を走り、その住民も時に虚空を眺め、非論理的ともとれる奇妙な行動をとる。カンパニーは人を派遣して調査を行なったが、得られた答えは常に「だって、『私』がそうしたから」だった。最終的に、博識学会はその世界の凝晶から「均衡」の運命の影響を発見し、正確な問いを投げかけた。 「あなたたちの『私』は、どこにある？」 「ここに、そしてそこに。」 人々は自分たちと、世界の外にある存在しない質量の中心を指差し、そしてその指をさらに遠くの虚空へと向けた…… 「…彼らが連星系のように共に終焉に堕ちることは、決してありえない。結局のところ、それらが互いを抱きしめ合うことなんてできないのだから。」